ベトナムのお葬式
2015-07-04


今日は、うちの事務所で長年働いて昨年リタイアしたスタッフのお母様が亡くなったので、ハノイから車で2時間ほどのバクザン省であったお葬式に出席してきました。うちのオフィスからの参加は、私を含め総勢10名でした。

実はベトナムのお葬式に出るのはこれで3回目ぐらいなのですが、いつも「日本のお葬式はどんな風?」と聞かれます。端的に言って、全然違います。ベトナムのお葬式は、私に言わせればとっても非宗教的…。こういってはなんですが、味気ないです。遺族は白い布で作られたぶかぶかのポンチョのようなものを普通の服の上に着ていて、白いハチマキをしています。訪問者は、登録をした順番に、呼ばれたら前に出て、お供え物(花輪やお金やお線香)を渡します。特に日本のような豪勢な仏壇みたいなものはなく、亡くなった方の遺影にお線香を立てる鉢(?)が置いてあるぐらい。そしてその後、奥の棺桶が置いてある部屋に入って、その周りをぐるっと回り、亡くなった方のお顔を覗き込んでお祈りしてから(私はいつも覗くふりだけして見ませんが)遺族の方に挨拶して終わり。これだけです。お坊さんのお経もないし、遺族代表の挨拶もありません。これだけだと、本当に数分で終わってしまいます。うちのオフィスのスタッフによれば、もっと宗教色(仏教色)の強いお葬式もあるということですが、これまでベトナムで出たお葬式はみんなこんな感じでした。

この後、翌日には土葬が行われます。ベトナムではだんだん火葬する人も増えてはいるそうですが、基本的には土葬で、なんと埋葬してから4・5年後に棺桶を掘り出して、骨を取り出して洗ってからまた別の場所に埋めるというのが慣習だそうで。この骨を取り出して洗う人というのが職業としてある、とどこかで読みました。すごい仕事です。

今回はせっかく2時間もかけて来たし、という訳で、しばらくお茶を飲んで話をしてからハノイへの帰途に着きました。亡くなったお母さんは92歳というので、大往生と言っていいでしょう。お葬式も悲しいだけと言うよりは、彼女の人生のお祝いという感じがありました。

[ベトナム暮らし]

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